「運動」を習うと、運動能力が上がらない?

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2008年度、幼児運動能力研究会が行った運動能力調査の結果が「幼児の運動能力における時代推移と発達促進のための実践的介入」という報告書の中にまとめられています。

(幼児の運動能力における時代推移と発達促進のための実践的介入

この調査で興味深いのは、体操やボール遊びなどの運動指導を「行っている」園よりも「行っていない」と答えた園の方が、運動能力が高いという結果が出たことです。

(参照:EduwellJournal「子どもの運動能力を高めるために必要なこと」参照)

また、保育形態による運動能力の差についての結果も報告されていて、「一斉保育と自由保育が半々」の園が最も運動能力が高く、「一斉保育中心」の園が最も運動能力が低いという結果になりました。

(参照:EduwellJournal「子どもの運動能力を高めるために必要なこと」参照)

なぜ、このような結果になったのでしょうか?

確かに運動の指導を行うと、跳び箱をとぶスキルや逆上がりを行うスキルなどの特定のスキルは身につきやすくなります。

しかし、一斉保育中心で行うと、以下の3つのデメリットがあります。

①特定の動きのみの繰り返しになり偏りが生まれる
②待ち時間やできない子のための時間が多くなり、運動量や練習量が足りなくなる
③自分で考えて動きを工夫することが少なくなり、自主的に体を動かすことが少なくなる

①特定の動きのみの繰り返しになり偏りが生まれる

園で体育の一斉指導があると、跳び箱や鉄棒などの特定の動きを繰り返し練習しがちです。
しかし、幼児期に経験させておきたい動きは36こあると言われており、その他の動きについてはあまり経験することなく幼児期を過ごしてしまいがちです。

そのため、動きに偏りが生まれ、その他の運動スキルが伸びない、または伸びにくくなるという子どもたちが多く生まれると推測されます。
実際に、私が見てきた子ども達の中にも、サッカーはうまいけどキャッチボールができない子や跳び箱は跳べるけどなわとびができない子も多くいました。
これも幼少期から偏った動きしか経験してこなかったためと思われます。

②待ち時間やできない子のための時間が多くなり、運動量や練習量が足りなくなる

幼稚園でも小学校でも、一斉指導が行われると、並んだり、話を聞く時間が長かったりして待ち時間が長くなります。
また、苦手な子がいたりするとその子を応援して待っている時間も長くなります。

すると、必然的に運動量や練習量が少なくなります。
幼児期に重要なことは運動量や練習時間の確保です。

指導者が一回ごとにアレヤコレヤと言う前に、たくさん練習していけばできることなんてたくさんあります。
練習を繰り返す中で自分なりに考えて工夫もします。

そのためにも運動量や練習量を確保することは絶対にしなければいけません。

③自分で考えて動きを工夫することが少なくなり、自主的に体を動かすことが少なくなる

一斉指導でしか運動を経験していないと、自分で考えることが少なくなります。
「運動は先生に教えてもらうもの」という固定観念が生まれて、自主的に運動することから遠ざかってしまいます。

これらのデメリットを解消する方法として、私は運動あそびプログラムを提唱しています。

運動あそびプログラムでは、

①「技能」習得よりも「動作」習得を目指します

 

運動あそびプログラムでは、「技能」習得よりも「動作」習得を中心に行います。

幼児期に身につけておきたい動作は36こあると言われておいます。

日常生活の中ではなかなか経験しない動作を行うことで、偏りなくバランス良く運動能力の向上を図ることができます。

そうすることで、結果的に跳び箱や球技などの上達が早くなることが見込まれます。

②運動神経の土台「コーディネーション能力」を養います

「コーディネーション能力」とは運動神経の土台となる「核」の部分です。

コーディネーション能力は、「リズム能力」「識別能力」「バランス能力」「連結能力」「反応能力」「変換能力」「定位能力」の7つに分かれています。

この7つの能力が関連しあって運動が成り立っているのですが、マットや跳び箱の運動だけではこの7つの能力はバランスよく養われません。

その結果、跳び箱はとべるけどボール運動が苦手,,,サッカーは上手だけどリズム感がない,,,などのような運動能力にj偏りのある子どもに育ってしまいます。

運動あそびプログラムでは、7つあるコーディネーション能力を運動あそびを通じて、バランスよく刺激して養います。

③子どもの発達段階に合わせて行うから運動が苦手な子でも楽しめます!

運動あそびプログラムでは、子どもの発達段階に合わせてメニューを行います。

そのため、無理に鉄棒の逆上がりを教えるなんてことはしません。

実は鉄棒の逆上がりは小学3,4年生で行うことと小学校の学習指導要領で決まっています。なので、それまでに無理に行う必要はないんです!(そのことを知らない小学校の先生型も多いのは事実です)

幼児さんの時期では月齢も関係してきて、発達の具合はバラバラのため、子どもに合わせてプログラムを工夫して行います。

もし興味がある人はぜひこちらから無料キャラバンへお申し込みください!

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